蘭州ラーメンで有名になったものの、上海や北京と違い、日本人観光客があまり訪れない中国の都市・蘭州。
生の観光情報も少ないので、「今、蘭州旅行を計画している」「中国旅行で蘭州にも寄る予定」という数少ない方のために、蘭州でぜひ訪れてほしい観光スポットをご紹介します。
蘭州旅行で必見の観光スポット5選!
まず、これから蘭州を訪れるのに本当にキホンのキである蘭州情報を確認しておきましょう。
蘭州の基本情報
蘭州は中国西北に位置し、甘粛省の省都となっている人口315万人ほどの街です。
市街地を横断するように東西に黄河が流れ、古くはシルクロードの要衝として知られ、漢の時代に金城郡が設置されたため、蘭州の古名としての「金城」としても知られています。
ちなみに蘭州の最初の鉄道は、日本人技術者の援助によって陝西省から開通しました。
標高が1,600mほどあり、高所なため、観光する際にも急いだり、睡眠不足が続いていたりすると高山反応で体調を崩す人もいるのでご注意ください。
観光もゆったりとした予定を組むことをおすすめします。
蘭州の読み方は?どこにあるの?
意外とよく聞かれるので、先にご紹介します。
カップヌードルが蘭州ラーメンを発売したことでも有名になったのでご存知の方がほとんどかと思いますが、蘭州は「らんしゅう」と読み、中国語では「lanzhou(ランジョウ)」と読みます。
ちなみに省の名前は甘粛省で「かんしゅくしょう」と読み、中国語では「ガンスーション」と読みます。
地図で見るとわかりやいですが、蘭州市のある甘粛省は兵馬俑などがある西安市の陝西省の隣に位置していて、距離にすると西安から西北に600kmほど移動すると蘭州に到着します。
日本で言う隣の県庁所在地までの距離が600km…、中国のスケールの大きさを感じられますね。
蘭州観光スポットの移動手段
蘭州は街自体は大きくないのですが、東西に長いため移動手段をしっかり確認しておきましょう。
今回ご紹介する観光スポットは、ほとんど市内の観光地を巡回している「金城观光公交专线」という観光用の公共バスでまわれます。
一回の乗車運賃は2元(約35円)と格安なので、利用をおすすめします。
普通のバスと違い、見た目もレトロで可愛らしいのが特徴です。
では実際に蘭州旅行でおすすめの観光スポットを一つずつ見ていきましょう。
関連記事:蘭州中川空港について|中国駐在が航空券や行き方、移動手段を紹介!
1.黄河鉄橋(蘭州市城関区)
蘭州といえば中国の母なる黄河です。
そして東西に流れる黄河を満喫できるのが黄河鉄橋です。
長さは約200m、幅が約8mの鉄橋で、建造されてすでに100年以上の歴史があります。
1954年には大型の補強工事が行われ、5つのアーチ型の鉄骨が加えられました。
鉄橋は歩いて渡ることができ、黄河を真上から眺めることができる観光スポットです。
多くの観光客が訪れ、記念撮影しています。
夜にはライトアップされて、昼の雰囲気とはうって変わって灯りが黄河に映り込み幻想的な雰囲気です。
昼と夜で2回楽しめる観光スポットです。
汚れてもOKなら羊皮筏子の黄河渡りにもチャレンジ!
黄河鉄橋周辺でしか体験できないアクティビティが「羊皮筏子」です。
昔から蘭州では黄河を渡るために利用されてきた筏(いかだ)で、名前からもわかるように羊の皮や牛の皮を使って作られています。空気を入れた羊の皮に簡易な格子状の木の棒を載せて、その上に人が乗って黄河を渡ります。
川の流れはかなり早く、筏も簡単な作りなので日本のラフティングとはまた一味違うスリリングな川渡りが楽しめます。
(もちろんライフジャケット着用です。)
黄河の水しぶきでかなり洋服が汚れるので、チャレンジする際には汚れても大丈夫な服で出かけましょう。
羊皮筏子の料金は片道60元/人、往復80元/人ほどです。
ずっと座っているとお尻が痛くなるので、片道だけでもいいかもしれません。
黄河鉄橋の基本情報
- 料金:無料
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間
- アクセス:金城观光公交专线「中山桥(橋の地元名)」駅にて下車
2.白塔山公園(蘭州市安寧区)
黄河鉄橋の北側から歩いてすぐのところにあるのが白塔山公園です。
黄河鉄橋から続けて観光してもいいかもしれません。
標高約1700mほどの山で、山頂まではゆっくりと歩いて1時間ほどです。
白塔山の仏塔は元の時代に建てられて、明の時代に修復されたものです。
白塔寺は、チンギス・ハンへの使者であった僧侶が蘭州で病死したために建設されました。
ほかにも皮大鼓、青銅製の鐘など明時代を感じられる物がたくさんあります。
また夏の時期には山道にかけて花々が咲き乱れ、乾燥した蘭州とは思えないような清々しい自然が楽しめます。
(蘭州は高地なため、夏にかけて花が見頃になります)
頂上からは蘭州市の全貌を眺めることができ、圧巻のパノラマが楽しめます。
個人的には一番おすすめな観光スポットです。
黄河の石で作った工芸品も数十元で購入できるので、お土産にもおすすめです。
山道ですが比較的階段は緩やかなので、ゆっくりと散歩気分でお楽しみ下さい。
体力に自身のない方はロープウェイ「黄河索道」も利用可能
白塔寺まで黄河鉄橋の南岸(白塔山公園の対岸)からロープウェイも利用可能です。
黄河をロープウェイで上空から眺めることができます。
利用料金は片道55元/人、往復65元/人です。
山道に美しい景色が続くため、「上りだけロープウェイを利用して、帰りはゆっくり徒歩で」といった利用の仕方もおすすめです。
白塔山公園の基本情報
- 料金:無料
- 営業時間:夏季6:30-20:00 冬季7:00-19:00
- 所要時間:2~3時間
- アクセス:金城观光公交专线「白塔山公園」駅にて下車
3.大众巷(蘭州市城関区)
大众巷は黄河鉄橋から歩いて10分ほどのところにある蘭州の名物料理屋さんが多く並ぶグルメロードです。
蘭州に来たからには、外せないのが本場の蘭州ラーメン(牛肉麺)ですよね。
日本にも進出している元祖蘭州ラーメンの「馬子禄」もこの通りに店舗があります。
実は中国全土どこに行っても蘭州ラーメンのお店はあります。
ただ、筆者も普段からよく他の街の蘭州ラーメンを食べていたのですが、本場を食べたら全く違いました。
牛肉と30種類以上の漢方を煮込んで作る透き通ったスープと作りたての細麺の組み合わせは最高です。
大众巷通り沿いには、名前も知られていないような牛肉麺屋さんも多く、人がたくさん並んでいるところなら迷わず入ってみましょう。
牛肉麺以外にも、羊肉の串焼き「烤肉・羊肉串」やトマトソースで細切れにしたきし麺を炒めた「炒面片」も絶品です。
大众巷で蘭州ラーメンの注文方法
蘭州はそんなに外国人が多く訪れる街でもないので、店員もあまり外国人慣れしていません。
メニューも英語なんてなく、基本中国語のみです。
なので牛肉麺の注文方法を確認しておきましょう。
- 入ってすぐの会計で注文&支払い
- 料理の受け取りカウンターで麺の細さ、辛さなどをリクエスト
- 料理を受け取る
- いただく
蘭州ラーメンは中国語で「牛肉面(ニョウロウミエン)」、ただ単品だとお肉が入っていないので「加肉(ジアロウ)」と言ってお肉を追加します。
お肉とセットで大体18元(約300円)くらいが相場です。
麺は特にリクエストがなければ何も言わないで大丈夫ですが、おすすめはスープと絡みやすいちょっと細めの「二细(アールシ)」です。
辛いのが苦手な場合は、ラー油抜きの「不要辣子(ブヤオラーズ)」、またはラー油少なめの「少点儿辣子(シャオディエンラーズ)」と伝えましょう。
大众巷の基本情報
- 料金:10元~20元/食
- 営業時間:20:00くらいまで
- 所要時間:ー
- アクセス:黄河鉄橋から徒歩9分、金城观光公交专线「中山桥(橋の地元名)」駅から徒歩5分
4.蘭州省博物館(蘭州市七里河区)
1956年に完成した延べ面積18000平方メートルにもなる蘭州省博物館。
無料なのも相まって、蘭州の観光地ランキングでも常にトップ3には入る観光スポットです。
蘭州市はシルクロードの要衝だったこともあり、シルクロード関連の物が多く、国宝である馬踏飛燕をはじめ30万点近い収蔵品があります。
合計で3フロアあり、フロアごとにテーマが異なります。
1階には期間限定展示も含めた芸術品。
2階にはシルクロードに関連した収蔵品が展示されています。
国宝である馬踏飛燕は、高さ約35cm×長さ40cmの青銅製で、蘭州北西の武威で出土しました。
シルクロードを通して入手した汗血馬がモデルと言われていて、口を大きく開き飛ぶような勢いの躍動感のあふれる造形は中国内だけでなく世界的にも高い評価を受けています。
少し疲れたら、2階に喫茶コーナーがあって比較的良心的な価格でお茶やコーヒーが飲めるのでどうぞ。
また2階には化石コーナーがあり、黄河周辺で出土したマンモスの化石や恐竜の化石が展示されています。
3階では、蘭州の人々の4,000年前の暮らしを再現した模型などが設置されています。
じっくり見学しようとすると半日ほどかかる大規模な展示が無料で楽しめるお得な蘭州の観光スポットです。
蘭州省博物館の基本情報
- 料金:無料
- 営業時間:9:00-17:00(最終入館 16:00)
- 休館日:月曜
- 所要時間:3~4時間
- アクセス:金城观光公交专线「省博物馆」駅にて下車(市博物館もあるので間違い注意)
5.五泉山公園(蘭州市城関区)
2000年の歴史があると言われる五泉山。
蘭州市の南部に位置し、金城观光公交专线では行けないのですが蘭州市内で非常に人気の観光スポットです。
漢時代を代表する武将である霍去病が匈奴の討伐の際に兵士たちと共に水不足に苦しみ、馬用のムチで5ヶ所を叩いたところ水が出て泉となったという伝説に基づいています。
(ちなみに5ヶ所の泉である恵泉、甘露泉、掬月泉、摸子泉、蒙泉は今でもあります)
そして匈奴討伐で大きな武勲を立て、大司馬まで上り詰めた霍去病でしたが、24歳で病に倒れ亡くなります。
公園入り口には霍去病の大きな銅像が設置されています。
また、五泉山公園はフォトジェニックで非常に美しい長く続く階段も人気です。
訪れる機会があれば、人がいなくなるのを待ってぜひ記念撮影を。
五泉山公園の基本情報
- 料金:無料
- 営業時間:夏季 6:00-20:00 冬季 7:30-19:30
- 所要時間:2~3時間
- アクセス:11・123号「五泉山公园」駅下車、12・15・17・18・33号線「五泉广场」下車
観光スポットをまわって蘭州を満喫しよう!
蘭州旅行の際にぜひ訪れてほしい人気の観光スポットをご紹介しました。
蘭州市内の観光スポットは比較的近い場所に集中しているので、今回ご紹介した観光地も2日あれば十分に全部回り尽くせます。
日本から決して近くない蘭州なので、旅行の際には高山病に気をつけながら観光スポットを満喫しましょう。