
「スーツケースって年に数回しか使わないのにやたら場所を取る」とお悩みの方におすすめなのが“折りたたみスーツケース”。
中でもJOLLYING『PEBBLE』は、これまでよくあった折りたたみスーツケースの弱点を上手に克服した画期的なキャリーケースです。
折りたたみスーツケースの決定版とも言えるPEBBLEの使用感をスーツケースブログならではの角度からレビューしたいと思います。
筆者:ジンベエ
趣味がスーツケース収集で、使用したスーツケースは70台以上。お役に立つ情報をお届けします。
JOLLYINGってどこの国のブランド?
PEBBLEを手がける「JOLLYING(ジョリーイング)」は、中国発のトラベルブランドです。
「え、中国メーカー?」と少し不安に思われる方もいるかもしれません。
ですがご安心ください。
JOLLYINGはいわゆるAmazonなどで検索すると出てくる無名ブランドとはまったく異なります。
中国国内で1993年からスーツケースを作り続け、高級スーツケースブランドとして確固たる地位を築いており、台湾や香港でも販売されています。
デザイン面も優れており、国際的なデザイン賞であるIF・レッドドット賞なども受賞しています。
そして今回、満を持して日本に上陸するようです。
AnkerやUGREENのように、中国メーカーでありながらも品質と信頼性を両立したブランドだと感じました。
JOLLYING「PEBBLE」レビュー!
PEBBLEは、JOLLYINGのスーツケースラインナップの中でも代表的なモデル。
細部まで丁寧にブラッシュアップされており、海外ブランドによくある“大雑把さ”とは無縁。
日本メーカーの製品に通じるような「使い勝手へのこだわり」が随所に見られました。
正直、筆者は日本メーカー信者なのですが……。
このクオリティでこの価格帯なら、海外ブランド勢がどんどん勢力を伸ばすかも、と少し焦るほどの完成度です。
1. 折りたたみ後のコンパクトさが想像以上!
まず驚かされたのは、届いたときの梱包サイズ。
「え、これスーツケースだよね?」と脳が一瞬バグるほど、コンパクトな段ボールで届きました。
PEBBLE最大の魅力は、なんといっても“折りたためるスーツケース”であること。
折りたたんだ状態の厚みはわずか11cmで、なんとiPhoneよりも薄くなります。
これだけスリムになると、使わないときにはクローゼットの奥やベッドの下、ちょっとした隙間にも収納可能。
年に数回しか使わないスーツケースに場所を取られるのはもったいないですが、PEBBLEならその常識を覆してくれます。
しかも折りたたんだ状態でも自立するので、立てて収納しても安心です。
2. スーツケースとしての品質も◎
これまでにも「折りたためるスーツケース」は存在していましたが、多くは「折りたためる」こと自体がウリで、品質面はイマイチ……というものが少なくありませんでした。
その点、JOLLYINGのPEBBLEはスーツケースとしての完成度が非常に高いです。
移動を支えるキャスターには大型の双輪キャスターを採用。
触るとわかる適度な弾力があり、静音性が高く、重い荷物を入れてもスムーズに転がります。
本体素材には高級スーツケースでおなじみのポリカーボネート100%を使用しており、耐衝撃性・耐久性も申し分なし。
ファスナーは信頼のYKK製で、細部にまでこだわりを感じます。
ファスナートップやキャスターにはブランド刻印があり、汎用品ではなく専用品を採用している点からも品質の高さこだわりが伝わります。
収納も工夫されており、一般的な「5:5」の開き方ではなく、「9:1」で片側に荷物をまとめられる構造。
最近いろいろな日本メーカーから販売されだしているニュースタンダードの収納タイプです。
デッドスペースが生まれにくく、大きな荷物もスッキリ収納できます。
さらに折りたたみ用のベルトも、展開時にしまえる専用ポケット付き。
使用時にプラプラしません。
細部まで考え抜かれた設計に感心します。
つまりPEBBLEは「折りたたみ特化スーツケース」ではなく、高品質スーツケースに便利な折りたたみ機能を備えたモデルといえるでしょう。
3. 折りたたみスーツケースの弱点を見事に解消!
折りたたみ式スーツケースには、これまで次のような弱点がありました。
- 型くずれしやすい
- ハンドル位置が不自然、または存在しない
- 中央部の防水性が弱い
- 折りたたみ操作が面倒
JOLLYINGのPEBBLEは、これらの課題を見事に解消しています。
内部には、展開時にフレーム代わりとなる樹脂プレートが配置されており、重い荷物を入れても型くずれしにくい設計です。
実はこの構造、かなり革新的です。
他社製では荷物を入れると「グニャッ」と形が崩れるものも多く、メインで使うには不安がありました。
また、ハンドル位置にも工夫があります。
折りたたみ式は通常、ファブリック素材部分にハンドルを設けられず、持ち上げづらいのが難点でした。
しかしPEBBLEでは、内側の樹脂プレートにしっかり固定されており、中央の位置に自然にハンドルが配置されています。
空港での持ち上げ動作もスムーズです。
防水性についても優秀です。
折りたたみ部分のファブリックには強力な防水加工が施されており、水をしっかり弾きます。
ただし、年単位では試せていないので、ソフトタイプと一緒で数年単位で愛用する場合は、年1回くらい防水スプレーの併用をおすすめします。
さらに、折りたたみ操作もストレスフリー。
フレームをパチッと外すだけで、あとは自然にシュルシュルと畳まれていきます。
ほぼワンタッチで収納完了。旅行後の片付けも快適です。
4. 付属カバーのフックは注意点あり
PEBBLEには、ベロア調で手触りの良い専用カバーが付属しています。
ホコリを防ぎ、見た目も上品で、これが無料で付くのは嬉しいポイント。
ただし、カバー上部の「吊り下げ用フック」には注意が必要です。
縫製がやや甘く、スーツケースを吊るすと破れそうになることがありました。
基本的には、カバーをかけた状態で床置き保管するのがおすすめです。
フックを取り外すか、縫製を強化してもらえればさらに完璧だと思います。
JOLLYING PEBBLEの仕様
PEBBLEの仕様も簡単に表にまとめてご紹介します。
20インチ | 24インチ | 30インチ | |
サイズ | 54×38×23cm | 69×49×28cm | 75×53×29cm |
容量 | 35L | 86L | 106L |
日数目安 | ~3泊 | ~7泊 | ~10日間 |
重量 | 2.8kg | 4.5kg | 5.9kg |
収納時の幅 | 11cm | 11cm | 16cm |
今回のレビューは86Lサイズです。
機内持ち込みサイズも人気が高いらしいです。
結構複雑な作りながら、重量は機内持ち込みサイズで2.8kgとかなり健闘していると思います。
PEBBLEは折りたたみスーツケースの決定版!
これまで「折りたためるけど使い勝手が悪い」スーツケースが多かったため、世界散歩でも積極的に紹介してきませんでした。
しかし今回のJOLLYING「PEBBLE」は、スーツケースとしての品質・機能性・デザインすべてにおいてバランスが取れた完成度の高い一台。
折りたたみ時のコンパクトさも実用レベルで、デメリットがほぼ見当たりません。
一言でいえば、“こだわりと誠実さを感じるスーツケース”。
使うたびに愛着が増していくような、そんな逸品でした。おすすめです。