日本が世界に誇るHINOMOTO(ヒノモト)キャスター。
「とりあえずスーツケースはHINOMOTOキャスターが付いていれば一安心」という旅行好きの方もいらっしゃるほど、絶大な信頼感のあるキャスターメーカーさんです。
そこで今回の特集では、HINOMOTOキャスターと他の一般的なキャスターの違いや、HINOMOTOキャスターを搭載しているおすすめのスーツケース情報をご紹介したいと思います。
筆者:ジンベエ
趣味がスーツケース収集で、使用したスーツケースは70台以上。お役に立つ情報をお届けします。
HINOMOTOキャスターについての解説を飛ばして、すぐにおすすめの搭載スーツケースを確認したい方はコチラをタップするとスキップできます。
HINOMOTOキャスターとは
HINOMOTOキャスターは、日本の日乃本錠前というメーカーが開発・製造しているキャスターです。
日乃本錠前は1932年に創業した老舗企業で、ヒノモトキャスターの他にランド錠などの錠前でもリーディングカンパニーだそうです。
当社は、簡単で優秀な技術(簡秀技術)をモットーに、鞄・スーツケース類の錠前及び、キャスター等の付属パーツの開発を行っております。
創業時より長年にわたり蓄積された技術とノウハウを使い、世界基準の品質とコスト要求に応えられるよう日々努力しております。
HINOMOTOキャスターとHINOMOTOサイレントランキャスターについて
一口に“HINOMOTOキャスター”といっても、大きく分けると2種類があります。
“HINOMOTOキャスター”と“HINOMOTOサイレントランキャスター”です。
違いを表で簡単に確認してみましょう。
名称 | ノーブランド キャスター |
ヒノモト キャスター |
ヒノモト サイレントラン |
素材 | PU系 | PU系 | エストラマー系 |
静粛性 | △ | ◯ | ◎ |
経年劣化 | △ | ◯ | ◎ |
価格 | ◎ | ◯ | △ |
ノーブランドのキャスターや、ノーマルのHINOMOTOキャスターに使用されているのはPU(ポリウレタン)系の素材です。
ポリウレタンは転がるときの騒音が小さく、耐摩耗性も高いためほとんどのスーツケースに採用されています。
それに対して、HINOMOTOサイレントランキャスターには、日乃本が三菱マテリアルと共同開発した特許素材であるエストラマー系のLisofという素材が採用されています。
静粛性について
同じPU系キャスターでも、HINOMOTOキャスターはノーブランドのキャスターと比べるとはるかに静粛性に優れています。
そして、HINOMOTOサイレントランキャスターは、従来のHINOMOTOキャスターよりもさらに静粛性を高めるられるよう開発されたため、スーツケースをひく時の“ガラガラ”という音が小さく移動快適性が高まっています。
ノーブランドのキャスターとHINOMOTOサイレントランキャスターだと、20dbほどの差があります。
どれくらいの違いかというと…
- 一般的なキャスター:74db 騒がしい街中、セミの鳴き声
- HINOMOTOサイレントランキャスター:54db 静かな事務所
同じキャスターでも、全く性能が異なっているのがわかります。
朝早くや夜遅くの移動でもキャスターの音が静かだと安心です。
経年劣化について
PUキャスターは耐摩耗性に優れるのが大きな魅力ですが、弱点として加水分解があります。
加水分解とは、物質と水が反応して分解を起こす現象のこと。
PUキャスターも、空気中の水分と反応して劣化するため、早ければ2,3年で使い物にならなくなります。
これに対してサイレントランキャスターは、PUキャスターのように加水分解しないという特徴があります。
スーツケースの故障はキャスターが8割から9割と言われていて、「ボディは問題ないのにキャスターがだめになったから買い換えた」なんて方も多いのではないでしょうか?
スーツケースをできるだけ長く愛用したいという方は、HINOMOTOでもサイレントランキャスターを搭載しているかどうか確認するようにしましょう。
HINOMOTOキャスター搭載のおすすめスーツケース5選
では、早速HINOMOTOキャスターを搭載しているスーツケースでおすすめのものをご紹介したいと思います。
HINOMOTOキャスターを採用したスーツケースの価格帯は…
- HINOMOTOキャスター:1万円以上のスーツケース
- HINOMOTOサイレントランキャスター:2万円以上のスーツケース
くらいが、大体の目安です。
予算や好みに応じて選ぶようにしましょう。
No.1 | 名前 | 価格 |
1 | MAIMO COLOR YOU |
13,980円~ |
2 | グリフィンランド PC7000 |
10,980円~ |
3 | サンコー スーパーライトMGC2 |
42,900円~ |
4 | イノベーター INV50 |
21,980円~ |
5 | バーマス ヘリテージ |
20,000円~ |
1.MAIMO COLOR YOU
ヒノモトLisofキャスターがセルフ交換可能!
- 搭載キャスター:HINOMOTOサイレントキャスター
- ボディ:ファスナー
- 機能:USBポート・100%ポリカーボネートボディ
MAIMOは、比較的新しい日本で生まれたトラベルグッズブランドです。
第1弾として発表されたCOLOR YOUは、HINOMOTOサイレントランキャスター搭載で1万円台前半からというコストパフォーマンスで各ECサイトで売り切れ、なかなか購入できない状態がしばらく続きました。
MAIMOのスーツケースの最大の特徴は、HINOMOTOサイレントランキャスターをセルフで交換可能なところです。
スーツケース故障の9割はキャスター関連と言われているため、自分でリーズナブルにHINOMOTO純正のキャスターに交換できることで、非常にコストパフォーマンスよく長期間スーツケースを愛用できます。
執筆時の段階で、HINOMOTOサイレントランキャスターをセルフ交換可能な唯一のモデルです。
2.グリフィンランド PC7000
基本性能を高めた人気モデル
- 搭載キャスター:HINOMOTOキャスター
- ボディ:フレーム
- 機能:ポリカーボネート混合
グリフィンランドは1万円台でしっかりと使えるスーツケースを販売し続ける老舗の日本メーカーさんです。
中でもPC7000はグリフィンランドのベストセラーと言われる人気モデルです。
ポリカーボネート混合樹脂の耐久性に、深溝構造のフレームを採用することで、長く使える耐久性を備えています。
キャスターにはノーマルのHINOMOTOキャスターに自動で注油されるグリスパックタイプのキャスターを採用。
荷物を詰め込んで重くなった状態でも快適な機動性が続きます。
どんどん値上げするメーカーが多い中、約1万円でこの品質をキープし続けているのは、グリフィンランドを運営する九州のクギマチさんの企業努力あってこそです。
・キャスターがHINOMOTOでスムーズ
・ちょっと重いけど、雑に扱われてもびくともしない耐久性が◎
3.サンコー スーパーライトMGC2
HINOMOTOキャスター×軽量フレームの絶大な安心感
- 搭載キャスター:HINOMOTOサイレントランキャスター
- ボディ:フレーム
- 機能:100%ポリカーボネート・マグネシウム合金フレーム
“フレームといえばサンコー”といわれるほどベストセラーになっているサンコーのフレームスーツケース。
遂にリニューアルモデルとしてサンコースーパーライトMGC2が登場しました。
世界でも数少ないマグネシウム合金を使ったフレームタイプのスーツケースで、高い耐久性を持ちつつ56Lサイズで3.5kgと非常に高い軽量性が魅力です。
そしてサンコーは昔からHINOMOTOキャスターを採用しており、スーパーライトMGC2ではキャスターもアップグレードされサイレントランキャスターを採用。
キャスターが加水分解しないことで、これまでよりもより長くスーツケースが愛用できるようになりました。
サンコーさんはお値段も決して安くはなく、知名度ではそこまで高くないかもしれませんが、知っている人は知っているリピーターの多い日本メーカーです。
出張に
4.イノベーター INV50
デザインだけじゃない抜群の機能性の高さ
- 搭載キャスター:HINOMOTOサイレントランキャスター
- ボディ:ファスナー
- 機能:キャスターストッパー・フロントポケット・ポリカーボネートボディ
イノベータークロスのあしらわれた洗練されたデザインに一目惚れして購入する方も多いイノベーターのスーツケース。
デザインだけじゃなく機能性にもこだわっており、HINOMOTOサイレントランキャスターを採用。
またINV50には、さらにHINOMOTO製のキャスターストッパーが搭載され、電車での移動時もストッパーをオンにしておくと手を離しても安心です。
フロントポケットには、電子機器やガジェット類を収納しておけるので、保安検査の際にも出し入れが簡単でスマートです。
大満足!
5.バーマス ヘリテージ
質実剛健なドイツブランドのスーツケース
- 搭載キャスター:HINOMOTOサイレントランキャスター
- ボディ:ファスナー/フレーム
- 機能:キャスターストッパー・USBポート
1919年にドイツで創業した100年以上の歴史を持つ老舗鞄メーカーのバーマス。
ヘリテージはバーマスの一番新しいシリーズで、HINOMOTOサイレントランキャスターに加えてキャスターストッパーとUSBポートを備えた次世代のスタンダードモデルとも言える機能性の高さが魅力です。
機能性を見ると、バーマスのフラッグシップモデルであるプレステージ3(3万円台後半~)とほとんど変わらず、それでいて価格が約2万円からと、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。
フレームタイプとファスナータイプが用意されていて、フレームタイプにはUSBポートが搭載されていないのでご注意を。
飾らない格好良さ
HINOMOTOキャスター搭載の長く愛用できるスーツケース!
日本が世界に誇る日乃本さんのHINOMOTOキャスターの特徴やヒノモトキャスターとサイレントランキャスターの違いについて簡単にご紹介しました。
スーツケースを選ぶ際に、キャスターは最も重要なパーツの一つです。
長く安心して愛用できるスーツケースを選ぶためにも、HINOMOTOキャスターを搭載したスーツケースを選んでみるのはいかがでしょうか?