上海といえば、日系企業も多く、駐在員として働く日本人や、気軽に行ける海外旅行先として日本から訪れる人が多い場所です。
そこで、2024年時点で報告されている最新の上海の人口情報、および上海在住の日本人の人口情報をお届けします。
さらに、上海市内で特に日本人が多く住んでいるエリアなどもご紹介します。
上海在住、貿易会社勤務の会社員。中国6年、海外生活16年で培ったライフハックをご紹介します。
【2024年】上海の人口情報
上海の人口:2,487万人
上海市の人口は2021年の時点で、2,487万人です。東京都の人口が1404万人なので、比較すると約1.7倍ということになります。
ちなみに世界の都市の人口数と比べると、実は上海市は第1位!
2位は同じく中国の北京で2096万人、3位はインドのムンバイで1839万人です。
つまり、上海市は世界最大、アジア最大の人口を誇る大都市なのです!
上海市の人口の内訳を見ると、およそ半数はもともとの上海人ですが、半数近くが他省からの移住者となっています。
外国人も多く住んでおり、46万人以上が居住しています。
上海の最近10年の人口推移
年度 | 人口 |
2021 | 2487万人 |
2020 | 2488万人 |
2019 | 2481万人 |
2018 | 2475万人 |
2017 | 2466万人 |
2016 | 2467万人 |
2015 | 2458万人 |
2014 | 2467万人 |
2013 | 2448万人 |
2010年から2020年までの10年で、上海市の人口は185万1699人増え、8.0パーセントの増加でした。1年平均にすると、0.8パーセントの増加です。
それに対して、2000年から2010年までの過去10年では、1年平均の人口増加の比率が3.4パーセントでしたから、上海の人口増加の推移は鈍化の傾向にあります。
- 2000年~2010年の増加率:3.4%/年
- 2010年~2020年の増加率:0.8%/年
これには、環境汚染や交通渋滞などの問題を解決するため、2035年までに上海市の人口を2500万人に抑えようとする政府の方針も影響していると思われます。
上海の人口密度は中国3位
中国の金融メディア第一財経によると、2022年の上海市の人口密度は、中国国内では第3位の1平方キロメートルあたり3926人です。
中国で最も人口密度が高かったのは、深セン市の1平方キロメートルあたり7173人、第2位は東莞市の4259人でした。
上海は人口が最も多いのですが、深セン市や東莞市よりも都市面積が広いため、人口密度はそれほど高くありません。
上海の面積は、日本でいうと東京都の約2.9倍、大分県と同じぐらいの大きさです。
ちなみに東京都の人口密度は、1平方キロメートルあたり6399人なので、上海市は、大都市のわりにあまり人口密度が高くないという印象です。
豆知識:上海みたいな直轄市とは?
中国の地域は、22の省(台湾を含めると23省)、5つの自治区、4つの直轄市、2つの特別行政区で分けられています。
重要性などから省と同格の権限を持たせ、政府が直接管理している都市のことを中国では「直轄市」と呼ばれています。直轄市は、省には属していません。
北京市、上海市、天津市、重慶市の四つの都市がそれにあたり、政治や経済、商業の中心地となっています。
都市人口数もこの直轄市である4市が上位を占めており、上海、北京、重慶、天津の順で人口数が多いです。
【2024年】上海の日本人の人口情報
上海の日本人人口 :3万6614人
上海に住む日本人の人口は、ピーク時には10万人を超えていたこともあるようですが、2022年の時点では、3万6614人です。
ちなみに海外在住の日本人が一番多い国はアメリカですが、二番目に多いのが中国。
中国国内では、最も日本人人口が多いのは、上海です。
日系企業の進出数でいうと、世界で一番多いのが中国。特に上海は中国の中でも最多の6,028社の日系企業が集まっています。
そのため、日本人学校など日本人のニーズに合わせた整備もされており、単身で住む人はもちろんのこと、家族連れで上海に居住している日本人が現在でも多くいます。
上海の中でも、日系企業の現地法人や事務所が多く集まるエリアの近くや、日本人学校がある地域に特に日本人の人口が多い傾向があります。
参照:外務省領事局政策課「海外在留邦人数調査統計」
参照:帝国データバンク「日本企業の『中国進出』動向調査」
上海で日本人が主に多い3つのエリア
日本人が多い上海は、中国のほかの都市よりも日本人にとって住みやすい環境が整っています。
上海の中でも特に日本人が多いエリアでは、コンビニや日本食レストラン、日系の百貨店や日系スーパーなど、とても充実しています。
日本と同じスタイルで販売しており、日本の商品も手に入りやすいので日本人にとってはなじみやすく、ショッピングがしやすい環境です。
また、日本人学校や幼稚園、日本語で対応してもらえる歯医者や病院がそろっているのも安心できる重要なポイント。日本人にとって、とても暮らしやすい場所です。
主に日本人が多いのは、以下の3つのエリアです。
1.虹橋・古北エリア
- 特徴:日本人が最も多いエリア。日本に近い生活スタイルを求める人におススメ
- 地下鉄:2号線・10号線・15号線
虹橋・古北エリアは、古くからの日本人居住地区で日系企業も多く、日本人人口が特に多い地域。ちなみに上海日本領事館もこの地域にあり、日本人が住みやすいエリアです。
日系スーパーや日本食レストランが多いこと、日本語対応の病院や日本人学校もあるため、特に家族連れでも便利で生活しやすいエリアとなっています。
虹橋空港も近く、地下鉄の2、10、15号線が通っているものの、移動にはタクシーのほうが比較的便利。市中心や浦東エリアへはいくらか距離があります。
日本人コミュニティの中心はこのエリアなので、日本人サークルや会食などの活動に参加したい人には便利な場所です。
2.浦東エリア
- 特徴:上海のニュータウン。職場や学校などが浦東エリアにある人におススメ。
- 地下鉄:2号線・6号線・9号線・14号線・18号線
浦東エリア、特に陸家嘴は金融の中心地です。観光スポットとしても有名なバンドがあるのもこのエリア。
世紀公園付近には、日本人学校もあり、浦東エリアに住む子供を持つ日本人も増えてきています。
虹橋・古北エリアを含む黄浦江から西側の浦西が昔ながらの上海の街並みであるのに対し、黄浦江から東側の浦東はニュータウンといった感じです。
浦東エリアは比較的新しい街なので緑も多く、とても開放感のある住みやすい環境となっています。
地下鉄は、2、4、6、9、14、18号線などが走っており、移動には地下鉄が便利です。
ただ、生活の中心が浦西地区の場合には、移動の時間や渋滞のリスク、タクシー代などがデメリットと言えるかもしれません。
3.中山公園エリア
- 特徴:とにかくアクセスが便利。活動範囲が広い人や旅行者におススメ。
- 地下鉄:2号線・3号線・4号線
中山公園エリアは日本人が最も多い虹橋・古北エリアにも近く、非常に便利な場所にあります。
浦西エリア内であれば、タクシーを使っても安く移動できること、また地下鉄も2、3、4号線が通っているので市中心や浦東エリアへのアクセスも良く人気です。
駅前には大きなショッピングモールや大型家電量販店、カルフールなどのスーパーや外資系ホテルも多く、とてもにぎやかな繁華街があります。
中山公園エリアはアクセスが良く、ショッピングやグルメスポットもたくさんあるので、旅行者にも便利で滞在しやすいエリアです。
交通の便も良く、とても便利なのが特徴のエリアです。
緑豊かな中山公園で地元の人が中国楽器や太極拳を楽しんでいるのを見ながら、のんびり散歩を楽しめます。
上海の人口情報に注目!
中国の産業や貿易、経済全体を支えているとも言える大都市上海は、中国の中でも人口が多く、日本人の人口も多い都市です。
ここ数年、コロナの影響もあり、徐々に上海における日本人の人口が減少しているとはいえ、今でも日本人向けに学校や病院、スーパーからクリーニング店までそろっています。
特に、中国語に自信の無い方や海外生活に不安のある方は、日本人が多いエリアであればあるほど日本人でも住みやすい生活環境が整っているので安心かもしれません。
今後の日本とのつながりによって、上海に住む日本人の人口も変わっていくのか、注目です。