海外流行や海外移住を予定している方の中には「乾電池って飛行機で持ち込みや預け入れしても大丈夫?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回の記事では
- 乾電池や充電池は飛行機へ機内持ち込みや預け入れできる?
- ボタン電池の持ち込みは制限がある?
- 持ち込めるモバイルバッテリーの目安は?
といった疑問にお答えしたいと思います。
国内線と国際線どちらの情報もご紹介するので旅の準備にお役立てください。
筆者:ジンベエ
【乾電池】飛行機への持ち込み・預け入れ
乾電池にはいろいろな種類がありますが、一覧で機内持込や預け入れの制限を確認してみましょう。
種類 | 機内持ち込み | 預け入れ |
アルカリ乾電池 | ◯ | ◯ |
マンガン乾電池 | ◯ | ◯ |
ニッケル水素電池 | ◯ | ◯ |
リチウム乾電池 | ◯ | △ |
乾電池タイプの電池は、リチウム乾電池以外は機内持ち込みと預け入れ共に問題ありません。
単三電池や単一電池など、サイズの制限もないのでご安心下さい。
このルールは国内線と国際線どちらでも共通です。
目立たないですが、ANAのサイトにも簡単に説明があります。
品目 機内持ち込み お預け(受託) 乾電池、ボタン型電池 可 可
アルカリ・マンガン乾電池
アルカリ乾電池はマンガン乾電池と比べると容量が大きく、2倍以上使えるのが特徴。
マンガン乾電池は使用する機会が少なくなってきていますが、休み休み使うと電圧が回復する特徴があるため、時計やリモコン類と相性が良いのが特徴です。
特に海外出張や海外移住する方だと、ワイヤレスマウスや電動歯ブラシ、携帯目覚まし時計などで乾電池を使用する方も多いかもしれません。
空港の保安検査でモバイルバッテリーを見せる必要があるので、「乾電池は大丈夫なのか?」と心配する方も多いかもしれませんが、乾電池はアルカリ乾電池・マンガン乾電池問わず、飛行機への持ち込み・預け入れともに大丈夫です。
ニッケル水素電池(充電池)
ニッケル水素電池は、パナソニックのエボルタやエネループなど、繰り返し使えるタイプの充電池です。
ニッケル水素電池も、アルカリ乾電池やマンガン乾電池と同じく飛行機の機内持ち込みや預け入れ荷物の制限対象になっていません。
そのため機内持ち込み・預け入れどちらも可能です。
ちなみに海外のアルカリ乾電池の値段は日本より割高なことが多いので、乾電池を定期的に海外で使用する予定の方は繰り返し使える充電池を用意しておいた方がいいです。
筆者もエボルタにお世話になっています。エボルタの充電器はマルチボルテージ仕様なので海外で変圧器が必要ありません。
リチウム乾電池
リチウム乾電池は、普段の生活だとあまり馴染みのない乾電池かもしれません。
モバイルバッテリーなどに使われるリチウムイオン電池が繰り返し充電できるのに対して、リチウム乾電池は使い捨ての乾電池です。
アルカリ乾電池などと比べて大電流機器で使えたり、幅広い温度範囲に対応するため、デジタルカメラやストロボなどに使用されます。
カメラ好きの方にはおなじみですね。
リチウム乾電池に関しては、飛行機に持込む際には注意が必要です。
まず、大前提としてリチウム電池は、リチウム含有量が2gを超えるものは機内持ち込み・預け入れどちらも不可です。
ただ単3サイズだとリチウム含有量は1g以下のため、この制限には引っかかりません。
それとややこしいのが、機内持ち込みと預け入れの方法。一覧表で確認してみましょう。
機内持ち込み | 預け入れ | |
リチウム電池(単体) | ○ | × |
機器に入っている リチウム電池 |
○ | ○ |
例えば、リチウム乾電池が入った電子機器などは、飛行機への持ち込みも預け入れでスーツケースに入れておいても問題ありません。
ただし、交換用に予備でリチウム乾電池を単体で持っている場合は、スーツケースに入れて預け入れることはできません。機内持ち込みにしましょう。
例えばパナソニックさんのリチウム乾電池だと、空港で職員にリチウム含有量を確認してもらうための製品安全データシートが用意されているので、プリントしておくと飛行機持ち込みがスムーズになります。
【ボタン電池・コイン形電池】飛行機への持ち込み・預け入れ
腕時計やリモコンなどによく使われているボタン電池についても、飛行機への持ち込み・預け入れの制限について確認してみましょう。
ボタン電池には、大きく分けると…
- アルカリボタン電池
- コイン形リチウム電池
の2種類があります。
それぞれの飛行機持ち込み制限を一覧表でご紹介します。
機内持ち込み | 預け入れ | |
アルカリボタン電池 | ◯ | ◯ |
コイン形リチウム電池 | ◯ | △ |
乾電池の場合と同じように、リチウムボタン電池の場合は注意が必要です。
アルカリボタン電池
アルカリボタン電池は、体温計や電卓などによく使われている豆粒大の小さな電池です。
アルカリ乾電池と同じく、飛行機の機内持ち込み・預け入れどちらにも制限がありません。
そのため手持ちのバッグでもスーツケースでもどちらにも収納できます。
コイン形リチウム電池
コイン形リチウム電池は、自動車のキーレスエントリーや、腕時計によく使われている、文字通りコインのような形状をした電池です。
リチウムが含有されているため、飛行機に持込む際には注意が必要です。
リチウム乾電池と同じく、リチウム含有量が2g以上のものは飛行機への機内持ち込み・預け入れどちらもできませんが、一般的なコイン形リチウム電池のリチウム含有量は0.3g以下なので制限には引っかかりません。
ただし、持ち込み方法には注意が必要です。
機内持ち込み | 預け入れ | |
リチウム電池(単体) | ○ | × |
機器に入っている リチウム電池 |
○ | ○ |
リチウム乾電池と同じく、電子機器本体に入っていれば、飛行機の機内持ち込み・預け入れどちらも可能です。
高価でない腕時計や電子辞書など、コイン形リチウム電池を使用する機器は、スーツケースに入れてしまってもOKです。
ただし、予備用にコイン形リチウム電池を単体で所持する場合には、預け入れはできません。
飛行機の機内持ち込みにしましょう。
【モバイルバッテリー】飛行機への飛行機への持ち込み・預け入れ
スマホやカメラの充電に使えるモバイルバッテリーは旅の必需品ですが、飛行機に持込む際には注意が必要です。
充電して繰り返し使用できるモバイルバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されています。
そして、以前リチウムイオン電池に起因して航空機内で火災が発生したため、国際民間航空機関(ICAO)によってルールが決められて、世界中どこの航空会社もリチウムイオン電池に関しては非常に厳しく制限しています。
一覧表で確認してみましょう。
機内持ち込み | 預け入れ | |
モバイルバッテリー | △ | ✕ |
モバイルバッテリーは、基本的に預け入れすることはできません。
これは、リチウムイオン電池が衝撃や温度変化に弱く、発熱や発火を起こしやすくなる特徴があるためです。
万が一預け入れ荷物に入れてしまっても、国内線なら呼び出しされて恥ずかしいくらいで済みますが、国際線ではそのまま破棄されるパターンも多いので注意しましょう。
そして、機内持ち込みの場合にも、国内線・国際線それぞれにリチウムイオン電池の容量制限があります。
国内線・国際線ともにポイントとなる境界線は、バッテリー容量が100Wh未満・100~160Whかどうかなのですが、モバイルバッテリーにはWh(電力量)の単位が記載されていないことが多いです。
ややこしいのですが、モバイルバッテリーのWhは以下の計算式で確認できます。
Wh = 3.7(V) × Ah(バッテリー容量) ÷ 1000
モバイルバッテリーに記載されている表示に変換すると、以下のようになります。
- 100Wh以下:27,027mAh以下
- 100~160Wh以下:27,027~43,243mAh
容量の目安としては、100Whのモバイルバッテリーでもノートパソコンを1回満充電できるくらい大容量のものになります。
160Whというと、大手メーカーでも選択肢があまりないほどの超大容量モバイルバッテリーです。
自分のモバイルバッテリーに記載されている容量と比較しながら、国内線・国際線の容量制限をチェックしましょう。
国内線:モバイルバッテリーの容量制限
国内線の飛行機に搭乗する際のモバイルバッテリーの容量制限は以下の通りです。
容量 | ~100Wh | 100~160Wh |
機内持ち込み | ◯ | ◯ *2個まで |
預け入れ | ✕ | ✕ |
注意事項 | 短絡防止の措置をとること | |
航空会社サイト |
国内線であれば、100Whまでのモバイルバッテリーは個数制限もなく、飛行機に機内持ち込みできます。
100~160Whのモバイルバッテリーに関しては、機内持ち込みが可能ですが、2個までの個数制限があります。
注意事項の「短絡防止の措置」とは、袋やトラベルポーチなどに入れて、電極をむき出しにしなければOKです。
国際線:モバイルバッテリーの容量制限
国際線を利用する場合、飛行機へのモバイルバッテリーの持ち込みは航空会社によって若干ルールが異なるため、あらかじめ各航空会社の案内を確認することをおすすめします。
一部ですが、日本からの発着便のある大手航空会社の規定を表にまとめてご紹介します。
航空会社 | ~100Wh | 100~160Wh *2個まで |
アメリカン航空 | ◯ *4個まで |
◯ |
ユナイテッド航空 | ◯ | ◯ |
大韓航空 | ◯ | ◯ |
中国国際航空 | ◯ | ◯ *航空会社の許可が必要 |
エールフランス航空 | ◯ | ◯ *航空会社の許可が必要 |
基本的なモバイルバッテリー容量の境界線は国内線と同じですが、航空会社によって100~160Whのモバイルバッテリーを持込む場合には事前の許可が必要な場合があります。
そのため、大容量のモバイルバッテリーを機内に持込む予定の方は、事前に利用する航空会社の公式サイトをよく確認することをおすすめします。
乾電池は国内線/海外線問わず持ち込み&預け入れOK
意外と聞かれることの多い「乾電池の飛行機への持ち込みや預け入れは大丈夫?」という質問。
ANAやJALのホームページにも記載はされているのですが、細かいページでわかりにくいので、ご紹介しました。
乾電池であれば、パナソニックのエボルタのような充電池も国内線と国際線問わず、機内持ち込み&預け入れ両方が可能です。
海外では意外と電池が高かったり品質が悪かったりするので、長期で海外に行く方は参考にしていただければ幸いです。
(記事の内容は2023年10月現在のものです。制限の基準や内容は適宜変更される場合がありますので、必ず事前に利用航空会社や空港にご確認ください)