上海は、世界でも有数の商業、工業、金融の中心地。
「世界の都市総合ランキング」でも第10位にランクインする大都市です。
世界第二位のGDP成長率を維持する中国、この国を支える上海には、2400万人が暮らしています。
今回はこの大都会、上海で働く人たち人の年収、最低賃金、賃金の推移に関してご紹介します。
またさらに、上海に住む日本人の平均賃金や上海で生活する時にかかる毎月の生活費についても解説していきます。
上海在住、貿易会社勤務の会社員。中国6年、海外生活16年で培ったライフハックをご紹介します。
【最新】中国の平均年収と最低賃金
2022年度における中国のGDP成長率は3%、世界第二位です!
2021年度国家統計局発表の情報によると、中国の非民間企業で働く人の平均年収は10万6837元(およそ206万円)でした。
月収に換算すると、一人当たり8903元(およそ17万円)という計算になります。主に中国都市部での年収の上昇が続いていて、前年比2.1%増加しました。
2021年度の平均年収都市ランキングで上海は、中国国内で第二位。
ちなみに、2021年度の日本の平均年収は、443万円でした。
中国のGDP成長率は世界第二位で日本より上位にいますが、比較すると、一人当たりの平均年収は中国より日本のほうが高いことが分かります。
中国における最低賃金は、各省によって定められており、最低月収1650元~2590元となっています。
ちなみに上海は、中国の中で最低賃金が最も高額です。
上海の最低賃金と最低時給
- 月収2590元
- 時給23元
2022年度に発表された上海の最低賃金は、月収2590元(およそ5万円)、時給23元(およそ440円)です。
中国は、1993年に法定最低賃金制度を取り入れて以降、ほぼ毎年最低賃金を引き上げてきました。
ですが、2022年上海市については、最低賃金、時給ともに、前年度から変わっていません。
上海経済もコロナウイルスによる大きな影響を受けたため、2022年度は、最低賃金の引き上げがされなかったようです。
それでも、上海市の最低賃金は、中国の中で最も高額!
中国国内で月収が最も低いのは、安徽省で1650元(およそ3万1800円)、時給が最も低いのは雲南省の15元(およそ290円)です。
中国でも賃金の地域格差が広がっており、賃金が低い地域から高い地域へと、働き手が流出しているようです。
ちなみに東京の2022年度最低時給は1072円でした。
参照:中国人力資源社会保障部
過去10年間の上海の平均賃金の推移
年度 | 上海の平均賃金/月 |
2011 | 4331元 |
2012 | 4692元 |
2013 | 5036元 |
2014 | 5451元 |
2015 | 5939元 |
2016 | 6504元 |
2017 | 7132元 |
2018 | 8765元 |
2019 | 9580元 |
2020 | 10338元 |
2021 | 11396元 |
2022 | 13245元 |
過去10年間、上海の一人当たり平均月収額は、毎年上昇しています。
2011年から2015年までは、毎年350元(およそ6700円)~550元(およそ10620円)までの緩やかな上昇を続けていました。
上海の平均月収額が、最も上昇したのは、2022年度で1849元(およそ35700円)!
ちなみに、2022年度の上海の平均月収額は、13245元(およそ25万5000円)でした。
過去10年の間に増え幅が大きく減退した年もあったとはいえ、上海の平均月収額は毎年、確実に増えつづけている状況です。
わずか過去20年の間に、平均月収額が8553元(およそ16万5000円)も上昇していることには本当に驚きです!!
参照:上海積分ネット
では、上海に住む日本人の場合、賃金相場はどのくらいなのでしょうか。
上海における日本人の賃金相場
職種や資格、職務経験、中国語力などの違いによって、いくらか左右されますが、上海に住む日本人の月収は、平均で13000元~30000元です。
特別な資格を持たない日本人のケースで、月収の平均は13000元~15000元。
何らかの資格を持ち、中国語が多少話せるのであれば、月収の平均は15000元~20000元。
企業で管理職を行うスキルを持ち、さらに中国語が堪能な場合、月収の平均は25000元~30000元です。
資格なし・中国語日常会話程度 | 13000元/月~15000元/月 | 25万1000円/月~28万9000円/月 |
資格あり・中国語日常会話程度 | 15000元/月~20000元/月 | 28万9000円/月~38万6000円/月 |
管理職可、中国語ビジネスレベル | 25000元/月~30000元/月 | 48万2000円/月~57万9000円/月 |
中国人の平均月収は、8903元(およそ17万円)なので、比較すると、上海に住む日本人の平均月収の方が、およそ8万~10万円以上高いことになります。
上海に住む日本人が毎月にかかる生活費の平均は、だいたい11000元~14000元。
生活スタイルによって、個人の毎月の生活費は異なるとはいえ、上海で仕事をする日本人は、ある程度貯金ができるくらいの収入を得ることが可能です。
外食で日本食を食べる回数が増えると、食費が格段に上がります。
上海の賃金上昇はいつまで続くのか
過去30年間、中国の一人当たりの年収は増え続けています。
中国は、賃金を上げることで国民の生産性や購買意欲を高める方針を掲げており、今後の賃金上昇の動向にも注目です。
上海GDPはコロナウイルスの影響を受け、2022年度においては低迷しました。
ですが、2023年にはゼロコロナ政策が撤廃され、民間企業や個人消費が勢いを取り戻しつつあります。
世界経済が同時に下降する中、中国のGDPは現在第二位!
今後の中国と上海経済のゆくえを見守りたいところです。